「借金」以外のことを私から奪いました

投稿日:2017年12月6日 更新日:

最大で借金300万円を超えていた私の個人のカードローン(クレジットカード、消費者金融)の全債務。

毎月の返済が10万円を超える時もあり精神的に苦しい生活が続きました。

頭の中は借金のことばかりのいわゆる多重債務生活です。

とっくに借金で生活が破綻しているのに、それでも多重債務者の習性で躍起になって、無理してでも返そうとしていました。

借金が私の頭の中の「借金」以外のことを奪いました。

頭の中は寝ても覚めても借金の金策のことばかり。

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出来ることなら避け続けていたいぐらい憂鬱なものなのに、寝ても覚めても頭の中は借金で、それどころか生活全体が借金に支配されている錯覚まで感じていました。

錯覚ではなく、まさに借金が中心のライフワークだったような気がします。

よく子供中心の生活という言葉を耳にしますが、恐らくそれ以上に借金中心の生活だったように思います。

しかも、自分で好き好んで借金中心の生活をしているわけではなくて、まるで見えない鎖に繋がれているような精神的負担もあって、何をしていても心から楽しむということができない毎日でした。

思い出のない4年間。

300万円の借金を返すのに4年近くかかったわけですが、その間に楽しいことは山ほどあったはずですが、ほぼ記憶にないです。

お洒落も皆無でしたし、流行りのドラマや歌も思い入れあるものが何ひとつない時代を過ごしてしまいました。

思い出せることは、ダブルワークに疲れてベッドで眠る光景など、あまり思い出したくないシーンばかりが目に浮かびます。

その何とか思い出せる一コマでさえ、内心では借金のことを考えていたはずで、そっちのほうが心の棘(とげ)として思い浮かびます。

一体、何してたんだろうと思いますが、「躍起になってお金を返していました

私の頭の中は常に借金のことばかり考え、何とかしなくてはならない借金に全力投球しているような毎日の生活でした。

視聴覚や感受性が薄れていきました。

その間に借金が奪ったものとして、当時は実感が湧かなかったのですが、今に思えば視聴覚や感受性といった、人への優しさや気遣いう余裕が徐々に薄くなったり欠けていったように思います。

借金が奪ったもの

  • 綺麗なものを綺麗と見る心
  • 流行の音楽を受け入れないまま、ずっと懐メロ状態
  • もともとグルメではないにしても味覚も音痴になった
  • 心が優しさに欠けていた
  • 人に寛容でなくなる(他人の幸せを素直に喜べない)
  • 気遣いをする余裕もなくなる

こういった人の品性のベースになるような大事なものが、借金に奪われるように徐々に欠けていきました。

要するに、自分で自分をクズとは言いたくないので「どうしようもない人」でした。

それでも躍起になってお金を返しました。

もう、なりふり構わずに近い状態です。

ある意味では自分らしささえ借金に奪われていきます。

でも、借金をして返して、今なお心の棘(とげ)として残っていることは、実はこの奪われた4年間の私の方が本来の私なのではないかということです。

よく人は窮地に立った時や、追い詰められた時に本性が現れるといいますので、今こうして少し心に余裕が持てるのは弱い自分を着飾って、少しだけ「いい生活をしてるフリ」をしているだけのような気もします。

お金さえあれば、気持ちに余裕もできて着飾り取り繕うこともできますが、当時の借金以外のことを奪われた4年近くの間は「取り繕うこと一切不可」なほど本性のままに生活をしていたような気もして、実はそっちのなりふり構っていなかった私の方が本当の自分なのかなと思う時もあります。

だとすれば、借金で「人知れぬ苦労や自業自得」を乗り越えたことで、多少は酸いも甘いも知って成長しているのかもしれません。

だからと言っても、それはおバカな成長方法であって、普通の人は借金をする以前にそういうことは織り込み済みで借金という苦しい鎖に繋がれた毎日を経験しなくても予めインプットされている常識だと思っています。

なので、借金で奪われた4年の間の私と、いま少しだけ心に余裕がある自分と、どっちが本当の私かと問われれば、きっと両方とも私なのだと思います。

唯一の強がり。

借金の苦労という文字通りの自業自得を味わったことと、楽しいことばかりしか味わないで過ごしたのであれば、きっと今より優しくない(人を気遣えない)自分になっていると思います。

私は決して特別に人に優しい人でもないので、ようやっと一人前の常識が備わったといえばそれまでですが。

それでも、その頃の頭の中が借金だらけの苦い経験があるからこそ、また借金に対する免疫と対処法を知ったことで、いま怖がることなく当時の3倍の融資を受けたのだと思います。

私からはもう何も奪えない。

以前の借金は本当に苦しかったですし、借金の負担は将来への不安にも折り重なってきますので、とにかく毎日が精神的に息苦しかったです。

そんな状態で2年も3年も暮らしていけば、自分らしさが奪われ、綺麗なものを綺麗と思える感情(感受性)だって薄れていきます。

それが良きも悪しきも経験値という免疫となっているのか、借金に対する対処方法を知ったからなのか、以前より借金は増えているにも関わらず不安な気持ちや恐れる気持ちは比べものにならないほどありません。

頭の中に借金のことはもちろんありますけど、当時ほど寝ても覚めても借金というわけでもありません。

それはあの頃、既に借金に奪われるだけ奪われ、奪い尽くされ底辺を知ったからだと思います。

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